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Mr.Tの出張レポート
ベトナム・タイ出張レポート その5

10月 (前回までのあらすじ:おっさん4人の珍道中。兎にも角にもベトナムに到着いたしまた。詳しくは前回の出張報告を読んでください。)

 このホームページの更新は持ち回りでございまして。前回の「Mr.Tの出張報告4」からずいぶんと時間が経ってしまいました。お許し下さい。

 時の経つのは早いものと申しますが、中年になってなおさら、その速さを感じるわけでございまして、最近は1日がどうも24時間ないのではないかと疑っておりますです。ハイ。

仮に1日1秒ずつ短くなったといたしますと。また仮にMr.Tが20歳のときに(出し抜けにオヤジになったわけじゃござんせんで、Mr.Tにも20歳のときがあったのでございます。

美しかった20歳が、輝いていた20歳が、モテモテの20歳が、絶倫の…しつこい!!)1日が24時間きっかりだったといたしましょう。そして仮に、仮にです。Mr.Tが今45歳だとすると。

 そうです1日は(45年-20年)×365日÷60秒÷60分≒2.53時間短くなって

いると計算できるのでございまして。(こんな計算ができるなんざ、Mr.Tなかなかのインテリでございます。)今では1日が、21時間半位となっているのでございます。1日を短く感じるのも当たり前なのでございます。

 時間といえば、今回の出張報告から登場しております体の大きな林(仮名)社長もいろいろと面白い場面に出くわす方でございまして、昨年彼が山手線に乗っておりましたところ代々木駅で学生と思しきカップルが乗車してまいりまして、話をしていたそうでございます。本人は、決して聞き耳を立てていたわけではないと言い張っておりますが、結構大きい声だったそうで、

 ♀:タクヤ君。この頃暗くなるのが早くなったよね。
 
タ:そりゃっそーだよ。
 
♀:なんで?
 
タ:知らねーの?
 
♀:…
 
タ:冬至だもん。当ったりめーじゃん。
 
♀:すごーい!タクヤ君!いろんなこと知ってるんだ。(目がハートでございます)
   で、冬至って何?

 
タ:ホントに知らねーの? 冬至ってのはな、1年で1番1日が短い日なんだよ。
 
♀:……

   一瞬の間がありまして。

 ♀:でもさ、1日ってさ、いつでも24時間なんじゃないの?多分。
 
タ:ちっげーよ!冬至ってのはな、1日が短ケーんだよ。
 
♀:……
 
タ:……
 
♀:だから、ミカンにお湯入れるんだ!
 
タ:ちっげーよ! ダイダイだよ。

車内は爆笑だったそうでございますが、本人たちは全然気付いていなかったそうでございます。ただ、ダイダイ(もちろん正解はゆずでございますが)を知ってるタクヤ君は結構もの知りだったりいたします。

 さて、荷物のなくなった林(仮)社長でございますが、セカンドバッグ1つでホテルにたどり着きました。見ようによっては旅慣れた人でございますが、当然意気消沈をしておりまして、こんなことは初めてでございますが、一言「俺、食欲ねー。」なんておっしゃいます。相当こたえているご様子でございます。とは申しましても、当方は非常に空腹でございまして、ホテルの近くのレストランで食事をすることにいたしました。

念のため、体の大きい林(仮)社長に「ご一緒します?」と尋ねましたところ、「行く。」行くのでございます。林(仮)さんは。

 ホテルから徒歩3分程のところに、オープンカフェ風レストランがございます。オープンカフェ風でございます。屋台ではございません。テーブル完備でございます。ついでにウェイターとウェイトレスも完備でございます。あまり働いているご様子ではございませんが。とにかく人数だけは大勢いらっしゃいます。 

 外でございますので、少々暑うございまして、こうゆう時こそキンキンに冷えたビールで乾杯といきたいものでございます。ここからはまたMr.T得意のイングリッシュでございまして、

 T:ちょとすみません。
 ウェイター:何あるか?(ベトナム人です)
 
T:ビール4つ。
 ウ:何のビールにするあるか?(ベトナム人です)
 
T:アサヒでも、キリンでも、矢でも鉄砲でも、何でもいいから持ってきやがれ。
(江戸っ子です。急に)
 ウ:旦那!ガッテン承知!(ベトナム人です)

 そうこうしておりますと、待ちに待ったビールがやってまいりました。
一同乾杯した途端に、「ぬるいっ」。冷えてなかったのでございます。お隣の国タイでは、ビールに氷を入れて飲む人が結構いらっしゃいまして、ここベトナムでも同じ習慣があるようでございます。

それじゃ氷を入れればいいじゃないか、とお思いの方もいらっしゃると存じますが、この氷がなかなかの曲者でございまして、自家製の氷なんかだったり致しますと、あたるんでございます。いえいえ、くじではございません、お腹でございます。

お腹壊れます。ピーです。2?3日は治りません。大変です。

 Mr.Tも経験がございます。何年前になりましょうか、インドネシアの田舎町に行ったときでございます。ホテルウエノというところに泊まりました。で、ホテル近くの中華料理屋さんでショッキングピンクの麻婆豆腐をいただいたのでございますが、このショッキングピンクの麻婆豆腐がしょっぱくございまして、夜ホテルの部屋にございました生ぬるい水を飲んでしまったのでございます。もういけません。あくる日から3日3晩ピーでございます。

あの日本の誇る伝統の正露丸も全然効かないのでございます。

ただ人間の浅ましいところは、こんな状態でも夜の街には繰り出すものでございまして、オネーチャンのいる楽しいお店にも連れて行っていただきました。もちろん、悪さはいたしておりません。なんせピーでございますので。いえいえ、ピーでなくても致しません。(信じてカーチャン)

 一同この生ぬるいビールをちびりちびりやっていたのでございますが、あったのです。ビールが。冷えたやつが。バケツの中に。氷と一緒に。当然新しいビール(冷えたやつ)で乾杯のし直しでございます。飲み直しです。東京は、五反田あたりの繁華街に行きますと、「飲み直し禁止」などという看板をよく見かけますが、ここはベトナムはホーチミン。じゃんじゃん飲み直しでございます。

少しは元気が出たか? 林(仮)さん。

 またまた早いもので、朝になっております。時差の関係でございましょうか。
昨晩は一同、しこたま飲み、そして食べました。外での食事でございましたので、ばっちり汗もかきました。シャワーを浴びて就寝いたしました。

 今日は朝から仕事でございます。9時に取引先のニュンさんが、ホテルまで迎えに来てくれることになっております。一同それまでに朝食を済ませなければなりません。8時にロビーに集合と致しました。

 遅れてきたのは林(仮)さんです。ほんの数分でございますが。

林(仮)さんが部屋から降りてまいりました。香りを連れて。ちょっとするんでございます。汗の香りが、いやオイニーが。朝から。当たり前でございます。着替えがないのでございます。荷物がないのです。

可哀想で誰も指摘はしないのでございますが、確かにいたしますオイニーが。真夏に、昨日と同じ、正確には昨日の服を着て歩いているのでございまして、それにも増してオッサンでございます。香らない訳がございません。

 9時ちょっと過ぎにニュンさんが迎えに来てくれたのでございます。車1台で。車1台ということは、全員が同じ車に乗るということを意味しているのでございます。

多くは語りません。人間いつでも修行でございます。

ただただ心配なのは、良好な日越関係に悪い影響を与えてしまうのではないかということでございます。また、日本の男はみんなオイニーがするのかと、ベトナムの女子に誤解されるのではないかということでございます。(ちなみにニュンさんは女子でございます。)オイニーが好きという女子もいらっしゃいますので、なかなか難しい問題ではございますが。

 ニュンさんの事務所にまいりまして、あーでもない、こーでもないと打ち合わせをするのでございますが、まじめに仕事というのは、Mr.Tのキャラではございませんので、ちゃっちゃと仕事は片付けて、もう昼食にしてしまうのでございます。

 昼食は、ニュンさん行きつけのホーの店に連れていっていただきました。ヒーではなく、ホーでございます(ベタすぎる)。ベトナムの有名な麺でございまして、店もこ洒落た感じでございます。ホーの他にもいろいろございまして、春巻きなんぞも美味しく頂戴いたしました。

揚げ春巻きでございます。これがうまい!

ベトナム名物ホー。黄色いのはマンゴージュース。ジュースは濃いっス。

一同幸せな時間を過ごすことができたのでございます。極楽でございます。
ニュンさんにホテルへ電話をしてもらいました。「まだ荷物着いとらんとです。」(九州人?)

林(仮)さん地獄にまっ逆さまでございます。

 午後は2軒目のお取引先にお邪魔いたします。
日本のように交通機関が発達している国は、なかなかございませんで、Mr.Tのような外国人の移動手段はタクシーが中心といっても過言ではございません。ただ、このタクシーが氷と同様に曲者でございまして、国によっては法外な料金を吹っかけてくることがございます。中には運転手が強盗に変身ということもございます。ご用心。

 一日に何軒か訪問する場合には、次の訪問先の人に、前の訪問先まで迎えに来てもらいましょう。生活の知恵でございます。タクシー代をケチっている訳では決してございません。ベトナムのタクシーが恐いという訳でもございません。

 ベトナムの市街地の交通機関はバス、タクシーそして圧倒的にバイクでございます。ベトナムの人々はバイクのことをホンダと呼ぶのでございまして、ヤマハでもホンダ、スズキでもホンダ、何でもホンダでございます。町中にホンダがあふれているのでございまして、まるで夏場のウンカのようでございます。

結構毛だらけ、街バイクだらけ

突然のMr.Tの訪問に驚き、あわてて道を譲るホーチミン市民。どの顔にも尊敬の表情が。

 正直なところ、目が回ってしまいます。気持ち悪くなってしまいます。
口を開けて歩いていると、ホンダが口に飛び込んでくるような感じすらいたします。

 午後一の訪問先は陶器を作っている会社でございます。
今度はデュンさんが待っていてくれました。デュンさんも女子でございます。

心配です。林(仮)さんが一緒です。

 午後3時頃お仕事は順調に終わりましが、一転空模様が変わり、暗くなってまいりました。とうとう雨が降ってまいりました。

ここでもデュンさんにホテルに電話をしてもらいました。
「荷物はまだ着いてへんと、ホテルの人が言うてはります。」(関西人?)

林(仮)さんの心の中も土砂降りです。

 3軒目の訪問先はインテリアの会社です。ダオさんがわれわれの面倒を見てくれます。ダオさんも女子でございます。

 暑い国に行きますってえと、会社の事務や対外的なお仕事を取り仕切っているのは、女性ばかりという会社が珍しくありません。概して暑い国の男供は怠け者でございます。かいって家事をしている訳でもないようでございます。

正直に申し上げます。Mr.Tうらやましく思えてなりません。いえ食器洗いが嫌いなわけではないのです。風呂も洗います。ゴミも捨てます。分別も上手です。はい、好きでやらせてもらっております。

 私のことはどうでもいいのでございまして、林(仮)さんのことでございます。もうそろそろ、オイニーも限界ではないかと思われるのでございまして、日越友好のためには、ここの仕事も、ちゃっちゃと終わりにしたいのでございます。あくまでも国と国との友好を慮ってのことでございます。早くビールを飲みたいから。ましてや、可愛いチャンネーのいるお店に1分でも早く行きたいからではございません。国のためでございます。Mr.Tは国を愛しております。♪勝ってくるぞと、板橋区?♪

 まあ、時計の針も、いい時分を指しておりまして、本日の業務も終了でございます。終了の前に、ダオさんにホテルに電話をしてもらいました。
「荷物あるだら。部屋に着いとるっきじゃん。」(静岡人か?)
一同喝采でございます。思わず林(仮)さんを胴上げしておりました。
申し訳ございません。うそでございます。こんな重い人が持ち上がる訳がございません。
まあ、ハイタッチ位はいたしましたが。

 人間には喜怒哀楽が、顔に出やすい人とそうでない人がいらっしゃいますが、お分かりのこととは存じますが、林(仮)さんはひどく単純な方でございまして、お気持ちが、手に取るようにわかってしまう方でございます。嬉しさが満面に現れております。鼻歌を歌っております。ツイストまで踊り始めてしまいました。林(仮)さんの顔が、一刻でも早くホテルに帰してくれと訴えておりましたので、大急ぎでホテルへと向かったのでありました。

 フロントで鍵を受け取るや否や。アズスーンアズポッシブル(博学)でございます。林(仮)さんは部屋に駆け込んでいきました。めでたしめでたしでございます。Mr.T他3人も、三々五々部屋に戻ったのでございました。

しばらくいたしますと、部屋の電話が鳴るのでございまして、

 Mr.T:ハロー(一応英語で出たりいたします)。
 林(仮):林(仮)です。
 T:なんばしょっと?(一応熊本弁も話せます)。
 林:ないんだけど。
 T:なんがなかと?
 林:荷物。(声が小さくなっております)ちょっと部屋まで来てくんないか

部屋に駆けつけるっていうと、確かに何もないのでございます。「ないものはない!」(by土井たか子)のでございまして、引田天功さんでも呼んでこなくては話になりません。とにかくフロントに逆戻りでございます。

Mr.T:私の友人のVIPである林(仮)社長の(VIPと社長という言葉に力をこめて申し上げたのでございまして、従業員0でも社長は社長でございます。)、荷物が空港でなくなり、貴ホテルに届けられるということを貴殿は聞き及んでいるか?
フロント:はい、知っとるであります。(軍人か?)
T:我々が外から電話をしたところ、荷物は林(仮)社長の部屋においてありますとの回答を得た。貴様、事実と違うではないか?(こちらも軍隊調でございます)
フ:自分はそのような回答をしておりません。自分は、荷物が届いたら部屋に運ぶようにと命令を受けていると、電話の相手に報告したのであります。

結局ないものはないのであります。先程の喜びが大きかった分、林(仮)さんの落胆も大きいわけでございまして、「もういい。」また声が小さくなってしまいました。

 林(仮)さんの気持ちはどうであれ、とにかく食事だけはしなくてはなりませんので、1時間後にロビーに集合ということにして、また部屋に戻りました。部屋でくつろいでおりますと、また電話が鳴るのでございます。疫病神いえいえ林(仮)さんでございます。

林(仮):来た~!

荷物が着いたのでございます。字が大きくなるほどの喜びようでございます。「飯だ、飯だ!」「ビール飲むぞ。」「餃子食うぞ。」「チャーハン食うぞ。」「朝まで食うぞ。」いえ、朝までは食えないのでありまして、ましてやベトナムでございます。餃子は、チャーハンは如何なものかと思いつつ、一件落着でございます。

よかった林(仮)社長。明日はバンコクだ。

 と、今回の出張報告の終了でございます。この続きは次回っ!